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催し物

岩手大学人文社会科学部 宮沢賢治いわて学センター 第18回研究会(=旧・岩手大学宮澤賢治センター第123回定例研究会)(2023.3.22)

定例研究会

名 称: 岩手大学人文社会科学部 宮沢賢治いわて学センター 第18回研究会
(旧・岩手大学宮澤賢治センター第123回定例研究会)
日 時: 2023(令和5)年3月22日(水)17:00~18:00
形 式: ハイフレックス形式(対面とオンラインの併用)
会 場: 岩手大学人文社会科学部1号館2階第一会議室 & Zoom Meetings
講 師: 家井 美千子 氏(岩手大学名誉教授/日本文学)
演 題: 宮澤賢治の表現を注釈する
司 会: 木村直弘(当センター副センター長)
参会者: 62名(会場15名+オンライン47名)

【発表要旨】
 文学研究の基礎として「注釈」という方法があり、宮澤賢治の表現を理解する上でも有効な方法であることを、発表者が在職中に指導した学生の特別研究3点を例に報告した。うち2つは、作品で扱われるモノが、宮澤賢治の生存した時代では何であったかを解明するもので、『注文の多い料理店』では、都会から訪れた紳士達が店主によってサラドまたはフライの食材にされようとするが、二つのレシピに共通するのは「じゃがいも」であり、紳士達はイモ扱いされていたのである。また『銀河鉄道の夜』等に登場するリンゴは「苹果」と表記されるが、これは新たに輸入栽培されつつあった外来種のリンゴに用いられる表記で、地元の有力な産業となる可能性に満ちた果実として表現していると考えられる。もう一つのアプローチは『春と修羅』における「心象スケッチ」という独特の用語が何を意味しているかを解明しようとするもので、これは賢治の蔵書目録にあった音楽専門書を踏まえてのものであったと推測できる。「詩」ではない新たな言語表現を、音楽の概念を援用しながら構築しようとして「心象スケッチ」という語を用いたと結論した。
 このような「注釈」によって、宮澤賢治表現の理解に新たな展望が可能となるのである。

 

岩手大学人文社会科学部宮沢賢治いわて学センター第18回研究会チラシPDF