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催し物

岩手大学人文社会科学部 宮沢賢治いわて学センター 第2回研究会(=旧・岩手大学宮澤賢治センター第107回定例研究会)(2019.9.27)

定例研究会

名 称: 岩手大学人文社会科学部 宮沢賢治いわて学センター 第2回研究会
(旧・岩手大学宮澤賢治センター第107回定例研究会)
日 時: 2019(令和元)年9月27日(金)17:00~18:00
会 場: 岩手大学 人文社会科学部1号館 2階 第1会議室
講 師: 板垣 寛 氏(石鳥谷賢治の会初代会長、現・大瀬川たろし滝測定保存会会長)
演 題: 賢治を、生活に活かし、 地域に活かし、未来に活かす
司 会: 木村直弘(当センター兼務教員)
参会者: 42名

★研究会終了後、情報交換会(ミニ茶話会)が開催されました
(18:00〜19:00 於人文社会科学部1号館 2階 第2会議室。参加者:13名)。

【発表要旨】
私の父・板垣亮一(1909〜1994)が宮沢賢治から直接指導を受けた機会は3回あっ た。 初めは、1926年1月15日から3ヶ月、花巻農学校に岩手国民高等学校が開設された時。 父は、岩手県下の自治体から選抜された35人の仲間と共に授業を受け、特に賢治が教 えた「農民芸術概論綱要」に感銘を受けた。
次は、1928年3月15日から1週間、賢治が石鳥谷町好地に石鳥谷肥料相談所を開設し た時。その際、賢治から、これまでの「亀の尾」を止め「陸羽132号」という新品種を 作付けした方がいいと教えられ、直ちにそれに踏み切った。そして増収を得た。
三回めは、1928年7月に陸羽132号を作付けしていた亮一宅を賢治が訪問した時。賢治 は、水田に入り落水をすすめ、泥をすくい上げて舌でべろりと舐めた。その後、南部 曲がり家であった亮一宅の縁側に腰を下ろし、詩「夏」をしたためた。
私自身、賢治が当時の農民たちに「稲作に取り組む際には、1日の雲の流れ、春夏秋 冬の気温の変化に常に敏感でなければならない」と指導したという父の言葉を重く受 け止め、1975年から45年間、たろし滝の胴回りの測定を毎年2月11日に実施してきている。その結果、平成年間に入ってから2年に1回の割合で計測不能になり、地球温暖 化が進行している現実を「たろし滝」が人類に警告を発していることが分かってきた。 今後とも100年、200年と測定を継続し、賢治の教えを生活に活かし、地域に活かし、 未来に活かしていってほしい。

▼板垣 寛 氏による講演風景

岩手大学人文社会科学部宮沢賢治いわて学センター第2回研究会チラシPDF